(xbox360)インファーナル:ヘルズヴェンジェンス レビュー/2点:ゲームと言うのもおこがましい

 近所のGEOにて、980円で売っていたのを「すわっ!お安い!掘り出し物発見キタコレ!」と思い衝動購入。
 ネットが繋がらない期間の暇潰しになれば良いなあ、と思ったんですが、これが物凄い地雷でした。ぶっちゃけ、980円でも高かった…
 
 ジャンルは、色々とイライラする設計になっている以外はな〜んの変哲もないTPS。
 主人公は天界から追放されたエージェント(守護天使って言う言い回しがこれまたダサい)で、天界への復讐のために、地獄のボスと手を結んで大暴れ、と言う、爪の先ほども共感できないストーリーラインが展開されます。まあ、天界も悪さをしてるんで勧善懲悪的な色も無いわけではないのですが、余計な設定のせいでただの逆恨みにしか感じません。どうですかね?面白そうに思えますかね?僕が特殊なだけですかね?
 
 まあ何と言うか、ゲームスタート時に主人公には特別な能力はありません。強いて言えばやたら堅いくらい。
 途中から地獄の炎の力を武器に付与(ハンドガンがグレネードくらいの威力になる。わあすごい)できるようになったり、倒した敵から生命力を奪って回復できるようになったり、一時的なテレポート能力を身に付けたり、とか出来るんですが、基本的には銃で武装してるだけなので、まあ何と言うかあんまりヒーロー感は楽しめない感じです。特殊能力が地味すぎ。あと自分で自分の能力を「凄い能力」みたいに言い過ぎ。引くわ。
 
 では、このゲームのいい所と悪いところを一言でレビューします。

良い所:スティックを倒すと、倒した方向にちゃんとキャラが動くところ
悪い所:上記以外全部

 もうね、こう言っちゃって良いんじゃないかな。このゲームは。
 
 じゃあ延々と怨嗟の言葉いきますよ。ブログ始めて以来、最大級の怨嗟になりますよ。
 グラフィックはまあそれなりに綺麗ではある(と言っても他のタイトルから見たら見劣りするレベル)のですが、操作性やシステムにそりゃあもう問題大有り。
 まず、一番大きな欠点は、チェックポイント通過時は勿論、チャプタークリア時にいたっても自動セーブが存在しないという点。
 プレイヤーは、「この辺なら大丈夫かな」と言うポイントで手動でセーブを行う必要がある訳です。しかも、「ギアーズ」や「HALO」のような体力自動回復システムを採用していない為、場合によっては、弾薬や体力が足りない状態でセーブしてしまい、その後、敵に囲まれてなすすべも無く詰んでしまう可能性もあります。まずはここで酷え仕様だなあオイと思います。
 
 あと、純粋にTPSとしてもシステムがおかしい。おかしすぎる。他のタイトルであれば当たり前の様に実装されている精密射撃(照準絞り)モードがない上に、スティックを倒した時の照準移動が非常にピーキーな調整になっている為、敵に狙いを定めるだけで一苦労。
 相手はそりゃあもう的確に攻撃を当ててくる為、無数の敵に蜂の巣にされながら、平常心を保ってゆったりと敵に照準を合わせてやり返す、と言う、爽快感の欠片も無い銃撃戦が最初から最後まで続きます。主人公がやたら固いのでやられる事は滅多にないのですが、これほど雑魚敵に攻撃を食らうゲームも無いのではないでしょうか。スマートさの欠片もありません。本気でイライラします。
 また、倒した敵の死骸から、武器を奪う+体力回復が行えるのですが、その操作が「敵の死体に近づいて3秒間Aボタンを押しっぱなしにする」と言うストレスフルなもの。銃撃戦の間、隙を見て武器を奪う必要がある局面が多いので、これまた蜂の巣にされながら敵の武器を拾う主人公をプレイ中何度も眺める事になります。ああ思い出しただけでイライラする。
 
 移動周りのシステムもそりゃあ酷いもんです。全身を出しているときと全く被弾率が変わらない無意味カバー(障害物に身を隠すアレ)システムに加え、スティックを同じ方向に2回倒すと発動する、と言う無茶な操作のせいでやたらと暴発する緊急回避、マシンガンなら100発くらい食らっても平気な顔をしている癖に、2メートルの高さから飛び下りると死亡する貧弱さとか、もうちょっとやり様があっただろうに…という感じ。
 おまけにフリーズも半端なく多いです。セーブ中とか、チャプタークリア時のローディングとかで平気でフリーズします。髪の毛がゴッソリ抜けるくらいのストレスを楽しめます。ホント酷い。製品になってない。
 
 あとこれはもう好みの問題だと思うけど、主人公が心底ムカつく。こんないけ好かないキャラも初めてです。ただ単に自分勝手なだけ。天界を裏切って地獄サイドにつくんですが、その地獄のボスと通信する時のやり取りが、主人公「おい行き詰ったぞ、力かせ」→ボス「しかたねえな」→力を貰って主人公が軽口を叩く→ボス「つまんねえ事しゃべってんじゃねえよこのカスが、黙って任務進めろ」の繰り返し。最初から最後までずっとこれ。それ以外のパターンはありません。
 主人公の軽口も共感出来る内容なら良いんでしょうが、共感の欠片も出来ない、スベりまくりの台詞ばっか。これがスタッフの考えるダークヒーロー像なんでしょうか。僕にはただの性格の悪い幼稚なオッサンにしか見えませんでした。ああ畜生イライラする。
 ゲームデザインも工夫全くなしで笑えます。(1)先に進む→(2)敵が3,4人前から出てくる→(3)蜂の巣にされながら倒す→(4)スイッチ押して先に進む→(1)に戻るの繰り返し。なんか、アクセントになりそうなボス戦もふんだんにあるんですが、攻撃が効いてるのか効いてないのかよく分らないので、これまた爽快感の欠片も無い出来。ゲームしている最中一度も楽しいと思わなかったのなんてXBlade以来です。
 
 結論。980円で売ってても買ったらダメ。絶対。
 でも実績1000は達成したよ、っていう。難易度自体はそんなでも無いタイトルなんですが、1000達成した時はため息が漏れました。実績厨であることを深く後悔したタイトル。何でパブリッシャーはこんなのローカライズしちゃったんだろうなぁ…。
 
 あっ、ここまで読んで遊んでみたい奇特な方はお声がけ下さい。
 先着1名様にプレゼントしたいと思います。以上、よろしくお願いします。