SAW/10点:神映画。DVD購入決定
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2005/03/11
- メディア: DVD
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【あらすじ】
目覚めると、そこは闇の中だった。しかも、足がどこかに繋がれているようで、身動きが取れない。
状況を把握する為に声を張り上げると、部屋の反対側にもどうやら男が一人居るらしい。
手探りで電気をつけると、そこは、見覚えのない薄汚れたバスルームだった。
部屋の中央には見知らぬ男の死体と、銃。そして、"Play Me"と書かれた2つのカセットテープ。
不条理な状況の中、二人は無事にここから脱出できるのか?
【感想】
短期間、低予算で製作されたにも関わらず、比類なき完成度となった傑作サスペンス。(ソリッド・シチュエーション・スリラー)
こういったジャンルが好みではない方も、タイトルを聞いたことくらいは有るのではないでしょうか。
娯楽作品として練りに練られた脚本と、スタイリッシュな映像センスが高レベルで融合した傑作です。
密室のバスルームの中で、二人の男が回想劇を交えながら、脱出方法を模索していく。
観客は、二人の男が見つけ出す、数々のヒントを元に、「犯人」の正体、真実に迫っていくことになります。
極限まで情報が削られた状態から、次から次へと新たな事実が明るみになり、徐々に事件の全貌が見えてくる、と言う一連のシークエンスのは、一種の宝捜し的な楽しさ。
何度観ても新たな発見があり、これほどの短時間で高密度な脚本を楽しめるのは本作品ならでは、と言えるでしょう。
なお、本作では、連続殺人犯を追う、と言うシナリオ上、残酷なシーンが何点か挿入されています。
多くの人は、目を覆うほどの刺激を受ける事と思いますが、意外にも、実は直接的な表現は極力避けられています(!)。
個人的には、本作について評価すべき点はここにある、と思います。
余り深読みせず、ぼーっと眺めているだけでも、エンディングシーンでは「スコーン」と爽快な驚きを感じられる事でしょう。
普通に作品として全体像を楽しむ他に、端々に配置された小ネタの一つ一つから、何故このような状態に至ったのかを推測する楽しみをも受け容れる懐の深さもあわせもっており、一粒で何度も美味しい映画でした。
映画の面白さは掛けた予算やリアルなCGではなく、脚本と工夫次第。
映画の本当の面白さを再確認できる、傑作です。
血を見た途端に失神してしまうような方以外は是非ともご覧頂きたい作品です。
【蛇足】
- この映画の撮影に掛かった期間はなんと3週間(18日間!!)らしいです。恐ろしい。。
- ビデオレンタル屋で「コレジャナイ」SAWを大量に見ますが、間違って借りる人っているのかしら。
- 鑑賞後、もうちょっと本作品の世界を楽しみたい、と言う方は、詳細な解説が映画の精神医学 SAW完全読解(ネタバレ記事)に載っていますのでご一読あれ。
- 「SAWですか、SAWですか。」(ネタバレ記事)えー、…僕には無理っす。