SAW2/7点:良作。映画館で観ても損はない
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: DVD
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【あらすじ】
エリック刑事は、「命の大切さを理解させる」と言う大儀名文の元に殺人を行なう連続殺人犯、ジグソウを追っていた。
捜査中にジグソウへの手掛かり発見したエリックは、ジグソウのアジトを突き止めることに成功する。
しかし、それはジグソウの仕掛けた罠だった。ジグソウはエリックに、エリックの息子の命を掛けたゲームを持ちかける。
ジグソウの指差す先には、見知らぬ洋館の中で8人の男女が「ゲーム」に巻き込まれている様子が写し出されていた。
エリックはジグソウのゲームを乗り越え、息子の命を救えるのか?
そして、ゲームに巻き込まれた8人の男女の運命は?
【感想】
衝撃の前作から1年という異常に短いスパンで作成された、ソリッドシチュエーションスリラー第2弾。
前作の完成度の高さに加え、犯人もネタバレしていると言う、続編には絶望的な状況のなかでリリースされた本作。
そのハードルの高さから言えば、本作は大健闘、と言っていいでしょう。
今回は前作の様な閉じられた環境でのサバイバル劇と、その外側の事件が並行しており、一粒で二度美味しい構成になっています。
その2つの事件が交わった瞬間に、どんでん返しが展開され、程良い衝撃と興奮が楽しめます。
少々仕掛けが複雑な為、前作の単純明快でつき抜けた驚きには至りませんが、目の肥えた前作ファンを納得させるには十分と言える脚本だったと言えます。
残酷描写に関して、前作より更に悪趣味さがアップしているのは痛し痒し、といった所でしょうか。
ただし、脚本自体の出来が決して悪い訳ではなく、それなりに必然性もある描写なので、我慢できる範囲でした。
聞くところによると、本作の脚本は元々、SAWシリーズとは全く関係の無い独立作品のものだったらしいので、それを考慮すると、このまとめかたは神掛かっている、と言ってもいいかもしれません。
前作同様、不条理なシチェーションから感じられる、単純な死の恐怖に加えて、人間が利己的な思考で暴走していく、と言う"CUBE"的な恐怖もあり、前作とは趣が異なるながらも、緊張感の演出としてこれはこれで”アリ”だと思いました。
前作で語られなかった部分の補足など、細かな前作ファンへのサービスもあるので、100%楽しむ為に前作は必見ですが、独立性の高い作品ですので、いきなり観ても8割程度は楽しめる作品になっています。
映画に脚本の面白さを求める方は前作から。
単純に血を見るのが好きな方、刺激的な映像を楽しみたい方は本作単独で鑑賞されてはいかがでしょうか。
【蛇足】
- 大仕掛けなトラップよりも、痛みが想像できるからか、地味なトラップが効きますね。特に"注射器"は痛かった…。
- 遅効性の毒ガス+「解毒薬」って組み合わせがどうにも安っぽい印象を受けるんですが…。遅効性のガス吸ったら後で解毒剤打ってもボロボロになった体は回復しないのでは。。。