SAW3/5点:暇つぶしにどうぞ

ソウ3 DTSエディション [DVD]

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【あらすじ】
 
 連続殺人犯、ジグソウの殺人は、依然として続いていた。
 死のゲームの手口は凄惨さを増し、被害者の数は増えるばかりだった。
 3年前に最愛の息子を事故で亡くしたジェフは、木箱の中で目を覚ます。
 状況を理解できないまま、なんとか木箱を脱出したジェフは、一台のテープレコーダーを見つける。
 「さあ、ゲームを始めよう。」
 テープレコーダーから流れる無情な声。
 はたしてジェフはこの悪夢から無事に脱出できるのだろうか?

【感想】
 
 前作から1年という短いスパンで製作された、ソリッドシチュエーション・スリラー第3作。
 緊張感や登場人物は、確かにSAWシリーズのそれなのですが、今作は非常に趣味の悪い作品でした。
 大掛かりな舞台装置で行なわれる肉体破壊ショーをこれでもか!と見せつける、品の無いスプラッタ(スラッシャー)映画になってしまっています。
 不条理さがシリーズの脚本のキモとは言え、いくらなんでもこれはやりすぎでしょう。
 
 脚本の面でも、確かにどんでん返し"のような"物はあるのですが、観客の予想を裏切ろうとするがために、無理やり舞台を作り出している印象は否めません。
 また、今作で犠牲となる方々は、主人公のゲームのための道具扱いだと言うのも後味が悪いポイント。
 彼らは自分の命を他人に委ねるしかなく、『生き様を強く反省すれば助かる』と言う基本ルールすら守れていません。
 
 それに、決断を下す主人公も、前作、前々作のように葛藤して決断を出す、と言うよりは、脚本通りに動いていると言う感じで、薄っぺらい。いつ自分に同じ災いが降りかかるかもわからないのに、ボケーと見てるなんて、全然共感出来ません。脳みそに毛が生えてるんじゃないんでしょうか?
 1作目、2作目は各キャラクターの行動原理にそれなりの説得力があり、感情移入できたんですけどね。。
 
 前作、前々作が前提となっている脚本で、間口も狭く、誰にオススメしていいのやら分かりません。
 拷問シーンが好きなシリーズファンの方はどうぞ。

 それ以外の方は……
 時間の無駄、というほどつまらなくはないので、期待せずに観れば暇つぶし程度にはなるのではないでしょうか。

【蛇足】

  • 正体不明で狡猾な、憎むべき殺人犯だったジグソウが、続編を重ねるうちに、世直しを行なう正義の存在的に描かれているのは、映画としてどうなんでしょう。。(ハンニバルシリーズのレクター博士を目指してるのかもしれませんが、、殺人犯に感情移入できるような作品作りをしてしまうのは問題では?)