SAW4/6点:佳作。レンタルで見て損はない
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: DVD
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【あらすじ】
ついに世間を震撼させた連続殺人犯、ジグソウは死んだ。
ジグソウの遺体の司法解剖中に、胃の中から蝋で固められたマイクロテープが発見される。
連絡を受けた担当刑事のホフマンがテープを再生すると、テープの声は告げる。「まだ終わってはいない」…と。
ジグソウ事件を追う内に多くの同僚を失い、ジグソウへの復讐に燃えるリグス指揮官は、自宅のバスルームで目を覚ました。
人の気配を感じ居間に戻ると、異様な機械に拘束された見知らぬ女性が。
刹那、TVモニタに不気味な人形が映り、リッグに告げる。「ゲームをはじめよう」と。
またも悲劇は繰り返されるのか? ジグソウの意思を継ぐ者の正体とは?
【感想】
1作目登場からわずか4年目にして、早くも4作目となったソリッドシチュエーションスリラー。
どうせがっかりするんだろうな、と思いつつも観てしまう。そしてがっかりする、そんなシリーズになりつつあります。
前作"3"と比べて、残酷描写はマイルドとなり、多少は上品にはなったものの、偉大な一作目には遠く及ばない出来でした。
まず、大前提として、『ソリッドシチュエーション』と言うには完全に語弊のある作品になってます。
…と言うのも、メインとなるゲームに余りにも行動の自由度が高く、閉塞感がまるでないのです。
あっちに行き、こっちに行き…と、外人が山手線のポケモンスタンプラリーに興じているのを眺めているような印象。
制限された状況で、解決方法をあれこれ考えるのが醍醐味の映画だったのに、こんな設定では焦点がぼやけて台無しです。
また、肝心のゲームの内容も、第三者の命を弄ぶ、"SAW3"と同様の形式になっており、被害者となる人の命が相変わらず軽すぎるのも
iイ彡 _=三三三f ヽ
!イ 彡彡´_ -_=={ 二三三ニニニニヽ
fイ 彡彡ィ 彡イ/ ィ_‐- 、  ̄ ̄ ヽ し ま
f彡イ彡彡ィ/ f _ ̄ ヾユ fヱ‐ォ て る
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r!lト、{'ー‐ ヽ ´ ヾミ、 / :
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…と思ってしまいます。
ちなみに、本作では『ジグソウ・ビギニング』と言えるほど、ジグソウの誕生秘話が語られます。
しかし、この『誕生秘話』なんですが、肝心の本筋には殆ど絡みません。
1作で完結していれば良かった物を、後付け設定の追加でどんどん矮小化されていくジグソウおじさんに同情を感じます。
最後に、誰もが気になるであろう、シリーズ恒例のどんでん返しについて。
今作でも例によってどんでん返しが用意されているのですが、2作目の仕掛けを更に意地悪にしたような仕掛けで、映画の暗黙の了解を覆すようなミスディレクションの上に成り立っています。(ヒントが無い訳では無いのですが…)
ネタばらしのシーンに至っても『…えっ?どういうこと?なんで?』とすぐに理解できないようでは、娯楽として微妙、と言わざるを得ません。
登場人物がガラっと変わったからこそ可能な仕掛けなのですが、どちらかと言うと、驚きよりも不条理感を強く感じてしまいました。
総じて、偉大な一作目を削り取り、監督の自己解釈で薄める事で作られた、と言う印象。
今作でジグソウおじさんは前線を退いた訳ですが、これからは「殺人ゲーム」の要素があれば「SAW」を名乗って良いんでしょうか…?
自重と惰性で止まるに止まれない、暴走機関車みたいになってますね。
前作で感じた失望をちょっとだけ回復するも、やっぱり一作目は偉大だなぁと感じる作品でした。
酷評ばかりになってしまいましたが、それでも凡百のサスペンスよりは面白いので、前作までをご覧になられた方は、レンタルで観ても損はないのではないでしょうか。
シリーズ3作と完全にリンクしている為、シリーズ未見者は全く楽しめない作品となっていますのでご注意を。
【蛇足】