ファイナル・デスティネーション/6点:佳作。レンタルで見て損はない

ファイナル・デスティネーション 特別版 [DVD]

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【あらすじ】
 
 フランスへの修学旅行の為、空港の待合室に集まった学生達。
 その中の一人のアレックスは、搭乗直前に、搭乗する飛行機が爆発する、と言う妙にリアルな夢を見る。
 ただならぬ嫌な予感を感じたアレックスは、パニック状態になり搭乗を拒否。
 仕方なく、アレックスと彼に同行した6名のクラスメートを残し飛行機は離陸するが、直後、爆発炎上してしまう。
 一命を取りとめた彼らだったが、それは、彼らもそこで死ぬはずだった、と言う運命を捻じ曲げる行為だった。
 辻褄を合わせるように、次々と生命の危機に襲われていくアレックス達…。
 果たして、『運命』を出し抜き、生き残ることは可能なのだろうか?

【感想】
 
 姿形の無い『死の運命』から逃れる為、若者達が知恵を絞って運命を乗り越えようとするホラー(?)サスペンス。
 この作品の前提条件を描く前半部は、ホラー色が強いのですが、主人公達が『死の運命』の存在を受け入れ、抵抗し始める後半は、限られた情報から運命の回避方法を推測する、と言う、サスペンス映画の様相を呈してきます。
 
 序盤から縁起の悪い演出が大量に映し出され、不安を目いっぱいに煽った後に、予想通りのショッキングシーンが展開される、と言う流れで物語への求心力は抜群。
 その後、観客は登場人物がいつ死ぬのか、常にビクビクしながら鑑賞することになります。
 "死の予兆"に警戒しても、運命(脚本)は一歩上手。身の回りに潜む危険がリアルに感じられ、観ていて大変疲れる映画になっています。
 思わせぶりなアイテムが直接の死因にならない、『風が吹けば桶屋が儲かるピタゴラ的な死因のまどろっこしさも魅力の一つ。
 何かがはじまるまでのドキドキハラハラ、何かがはじまってからのドキドキハラハラ、と、2種類の楽しみ(疲れ)を感じることが出来ます。
 
 確かに僕自身、死の運命を回避した事(自覚)は無いので、無理に運命を変えてしまったら…と考えると、『作り話だ』と断言できない題材であるのも事実。そういった意味では、遠いようで身近な恐怖を味わえる作品です。
 始めは謙虚、かつ自然に忍び寄ってきていたのに、後半はなりふり構わず直接的に殺しに来るという、『死の運命』の妙な人間くささには笑えますが。
 
 死ぬほど面白い!と言うわけでは有りませんが、斬新なプロットと、意外性のある展開に退屈はしないはず。
 ホラー好きの方も、ミステリーやサスペンス好きの方も、気軽にドキドキが楽しめる作品となっておりますので、ご興味のある方はご覧になってみては?

【蛇足】

  • オバケが苦手な奥さんも特に問題なく観れてましたので、ホラーではないみたいです。
  • この映画で飛行機嫌いに拍車がかかった。公共の交通機関に乗るときは座席のテーブルを確かめる癖が。。。ある意味トラウマ。
  • バスがズドーンのシーンにはびっくり。こけおどしだけど。
  • 死の予兆が実際に見えたら、疲れて疲れて仕方ないんじゃないでしょうかね?
  • レンタルDVDの特典に、本編からカットされたシーンが入っていましたが、カットして正解と思えるような、緊迫感のないシーンでした。取捨選択は重要ですね。