スクール・オブ・ロック/8点:傑作。オススメ!

スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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【あらすじ】
 
 売れないロックバンドのリーダー兼ギタリストであり、『誰よりもロックを愛する男』デューイは、過剰なロック愛と過激なパフォーマンスが災いし、生き甲斐だったバンドをクビになってしまう。泣きっ面に蜂、とばかりに、ルームメイトであるネッドのガールフレンドは、家賃が払えない事を理由にデューイを追い出そうとする。
 窮地に陥ったデューイは、お金を稼ぐ為、教師であるネッドの肩書きを利用し、臨時講師として超エリート私立小学校へ潜入する。無気力な生徒と共に、自堕落な教師生活を過ごすデューイだったが、ある時、生徒達の驚くべき音楽的センスを目にしたことをきっかけに、燻っていたロック魂を再度燃え上がらせるのだった。
 ロック馬鹿のエゴに巻き込まれた不幸な生徒達の運命やいかに?

【感想】
 
 ロックとは即ち『反抗、その怒りを表現すること』!堅苦しい事は抜きにして聴いてくれよ!ロック!これがロックなんだよ!
 そんな汗臭い、ハイテンションコメディ映画。
 いやぁ、最高でした。そりゃあ口調も興奮気味になるってもんです。ウヒョー。
 
 言わば、3%の青春と12%のエゴ、残りの85%はロック魂の脳みそ筋肉映画。音楽をテーマにしたサクセスストーリー、と言うことで、以前紹介したスウィング・ガールズとほぼ同様のストーリーなんですが、あっちが爽やかで上品なら、こっちにはパワフルさとロックがあります。
 
 主人公デューイのやってることは『権力を利用して自分の夢を人に押し付ける』と言う、言葉にすると大変頭にくる行為なのですが、何故か徐々に不快感よりも爽快感が上回って来ます。
 何故か?
 それは、彼は人を活かす能力に長けているから、なんだと思います。適材適所よろしく、一目で生徒の個性、意志を汲み取り、その個性を否定せずに一番イキイキ出来る役割を与える。デューイというキャラクターにとって、先生というのは一種天職だったのでしょう。すげー!
 
 はじめは誰しもが嫌悪感を持って観ているはずですが、彼なりに一途な面を見て徐々に『駄目な奴だなぁ』と思いつつも感情移入してしまう事でしょう。それを周囲が受け入れる、クライマックスのカタルシスといったら。自分の信じる道で周囲から認められるって本当に嬉しい。
 エゴ剥き出し、自己主張の塊のような駄目男が子供を利用して自己表現。でもなんだか子供も楽しくなってきちゃう。
 校長を始めとしたお邪魔キャラクター達をも巻き込み、みんな幸せになっていく。
 そういった、本当に純粋で無邪気な映画です。
 
 夢に向かって努力するって素晴らしい。そんなパワーと爽快感に満ちた作品です。最近良いこと無いなぁ〜と嘆いている貴方、ちょっとレンタルして来てご覧になってはいかがでしょう?
 こんなクソ野郎でも幸せになれるんです。貴方が幸せになれないはずありませんよ!

【蛇足】

  • スウィングガールズと同様、本人達が実際に演奏しているとの事。凄いねみんな。
  • 「あれうちの子なんですよ」には『どうだ!見たか!』とニヤニヤ。別に自分関係ないのにね。