SAW V/5点:暇つぶしにどうぞ

【あらすじ】
 
 決死の捜査の末、ついに連続殺人犯ジグソウとの対面を果たしたストラム捜査官だったが、ジグソウは既に亡くなっていた。落胆するストラムをジグソウの罠が襲うが、咄嗟の機転で切り抜ける事に成功する。
 命からがら捜査本部に戻ったストラムを待っていたのは、ジグソウ事件の捜査から外す、という上司の冷酷な決定だった。相棒を亡くした自責の念もあり、ストラムは非公式に独自の捜査を開始する。その捜査を通じ、ジグソウの罠から無傷で生還したホフマン捜査官こそがジグソウの後継者ではないかと言う疑いを深めていく。
 一方、時を同じくして5人の男女が、見知らぬ密室で目を覚ます。各々の首には首輪。そして繋がれた先には、V字型の大型カッター。見計らったように例のくぐもった声が部屋に響く。
 「ようこそ。君たちに、今までとは違った生き方を選択して欲しい」
 このゲームの真意とは?ストラムはジグソウの後継者を突き止める事はできるのだろうか?

【感想】
 
 「そういえば、まだ今年のSAW観てないなぁ」
 そんな会話が自然に出るほど毎年恒例のSAWシリーズも気付けば5作目。
 「5作目だけに5点、じゃあSAW11以降は困っちゃいますね!ってやかましいわ!」…と、いうわけではなく、純粋に拍子抜けの一作でした。
 
 Web界隈の至るところで言われてますが、こうなってくると最早、映画というよりは「SAW」と言うシリーズドラマの1話ですね。(1年スパンで一話1800円ってどんなドラマだ。)シリーズ映画であっても、一作だけで9割は楽しめる作りにすべき!…という考えの自分にとって、どんどんダメな方向に向かってる印象。時間軸的には3でお亡くなりになられたジグソウさんをこれ以上引っ張り出すのはさすがに可哀想です。
 
 例によって、今作においても全く世界観を畳む気はないようなのですが、それにしても少しくらい畳む気配を見せてもいいのでは?…と思ってしまいます。若干ミステリ寄りに回帰した4から、またもやスラッシュ気味に方向転換。「何故?どうして?」が置き去りにされたまま、思想無き暴力が繰り返されていき、最後になんとなく例の音楽が流れて終了。

 「SAWシリーズで最も驚かない一作!」
 「括目せよ!幻聴ではない!これがこの映画の見せ場だ!」
 「謎を増やすだけ増やして放置!これが最新のSAWスタイル!」

 数々の怨嗟に満ちた紹介文が頭をよぎります。
 どんでん返しも何も無く、いくらなんでもコレにSAWの名前を冠するのには、一ファンとして抵抗があります。
 (…はっ!?逆転がないことが逆転、…と言う新しいどんでん返しの形なのか!?)
 
 そして、何にしても薄味なキャラクター達。
 魅力的なキャラから順番に死んでいく、と言うシリーズの構成上、もう本当に、どうしようもない出涸らし感溢れた無能キャラのオンパレード。追う方も無能なら追われる方も無能、おまけに上司まで無能…と、これだったらSAW2であれだけ体を張った○○○○姐さんの方が100倍魅力的です。
 肝心の5人組の脱出ゲームについても、物語との乖離が物凄く、最後まで見ても「ただやっていた」だけ。「ピースが揃えば全体像が見える」みたいなご大層な事をジグソウさんが申しておりましたが、全く絡まないのには閉口。物語の外側の関係ない所で5ピースのパズルが完成しました。凄いでしょ。みたいな印象でした。
 
 SAWシリーズに何を求めるか?と言う問いに「バラエティに富んだ拷問シーンが観たい!」「ジグソウさんが出てるだけで良い!」と言う方には「まあ」オススメ。「推理とどんでん返し!」と答えた貴方には今までで最もオススメできない一本と言えるのではないでしょうか。
 
 最後に一言。どうしても言わせて下さい。
 (↓ネタバレなので薄字↓)
 「Game Over」がないなんて!こんなのSAWじゃないやい!
 ニコニコしながら介 護 用 ベッドでリクライニングしてる場合じゃないって!大切な台詞忘れてるって!

 (↑ここまで反転。↑)

【蛇足】(全体的にネタバレの為薄字)

  • 序盤でストラム捜査官を襲ったのは誰?ホ フ マ ン はあの部屋の外から鍵閉めたよね?もう一人犯人が居るって事?外と内側が繋がってるって事??誰か教えてください。
  • 水攻めシーン、首元のゴム広げれば良いのでは…。そもそも殺す気有るのだろうか…。無いのか…。
  • 箱の中身ナニー?
  • 終盤、エ リ ク ソ ン に生き残った女 性が駆け寄るシーンで、「ドア閉めろ!爆発したら死ぬよ!」と思ったのは私だけではないはず。あれ?最後の部屋って爆弾仕掛けられてないんでしたっけ?制限時間有ったよね?爆発するよね???