アイアムレジェンド/4点:退屈な映画
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/04/24
- メディア: DVD
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【あらすじ】
時は2012年。
人類の影の消えたNYで、科学者のネビル博士は愛犬サマンサと共に、その日暮らしのサバイバル生活を送っていた。
圧倒的な孤独感に苛まれつつも、彼はラジオを使って、世界中に向けて声を発信する。
「誰でもいいから、この放送を聴いたら応答してくれ」と。
そして、夜には自宅で鉄格子付きの窓を締め切り、怯えるように眠る毎日。
果たしてこの世界に、何が起きたのだろうか?
【感想】
人類最後の生き残りとなった男が、人類復興の道を模索するSFホラー。
この壮大なシチュエーションにどんな説明をつけるんだろうとワクテカして観ているとまさかのホラー展開。
鑑賞するまで、完全にジャンルを誤解していました。
ホラーだと知っていたら多分観なかった事を考えると、徹底的にホラー色を隠したメディア展開は、悔しいですが大成功だったんだと思います。メディアリテラシー!
実際、鑑賞後、周囲にジャンルの話をすると大抵は「マジで!?」でした。みんなそう思うよね。
さて、序盤の孤独なサバイバル劇と、回想シーンで描かれるパニック描写、サムとの別れに至るまでは、孤独を紛らわす主人公の振る舞い等も含めて、大変楽しめる出来に仕上がっていました。
しかし、後半、「敵」の存在が明確になってからは、その場のノリで納得していた脚本の底の浅さが気になり始めてしまい、最終的に好意的に鑑賞できなくなってしまいました。
『有能な科学者』である主人公と、その『愛犬』サマンサだけが生き残った、と言う前提に対する答えが『偶然』では、ご都合主義過ぎて呆れてしまいます。
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偶然生き残ったしがない男が、人類復興の為に遺伝子学を必死に勉強し、偶然見つけた野良犬と協力して生きる、と言うプロットなら、異様なシチュエーションにも納得がいくんですが…。
『超展開』と悪評の多い後半の展開についても、劇中でしつこく発信していたラジオが功を制した結果なので、何も不自然な点は無いんですが、釈然としないのは脚本の気持ち悪さに起因するものなのでしょう。
肝心の「敵」の見た目も『ロードオブザリング』のゴラムがマッスル化した様な、至ってCG臭い物で興ざめ。
凶暴で怖い、と言うのは解りましたが、頭がいいのか悪いのか、観客にどう感じて欲しいのかの焦点がぶれ続けていて、魅力が薄かったです。
ホラー演出でも、僕が大嫌いなこけおどし(急に大きな音を出して驚かす手法)が多く残念。
後半になるほど宗教色が強くなる展開、安易極まりないエンディングも日本人には受け入れ辛い点。
「コンスタンティン」の監督と聞いて「ああ、あの映画の悪いところが全部出た結果か」と納得しましたが…、それでは駄目ですよね。パーツごとのクオリティは高いんですが、爽快感の演出、脚本の詰めがド下手で、モヤっとする感じを受けました。
総じて、映画開始直後の最高潮のテンションから、時間経過と比例してひたすらテンションが降下していく、完全なる出オチ映画、間の抜けた作品でした。
CGで表現された、張りぼての廃墟の雰囲気は素晴らしいので、それにレンタル代と貴重な時間を払える方なら。
【蛇足】
- ビルの谷間に日が落ちるシーンは幾らなんでもあざとすぎる。罠を仕掛ける知恵があるなら遮光服着ろよ。犬けしかけるんじゃなくて自分で行けよ。
- クルマピカピカすぎ。ガソリンどうしてんの?水どうしてるの?
- 家に電気が来ている意味が解らない。自家発電なの?全体的に退廃の表現が半端。見た目だけ映画。
- サバイバルしている風景をもうちょっと説明すれば良いのに、と思う。ガソリンはこうですよ、電気はこうですよ、水道はこうですよ、と言う風に。サバイバルに知識のあるスタッフから話を聞いて、サバイバルの様子を丁寧に映すだけで全然印象違うのに。