(xbox360)Steins;Gate 1st インプレッション

Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (通常版) - Xbox360

Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (通常版) - Xbox360

 カオヘ実績コンプ!に伴って購入。
 現在、ゆっくり遊んでプレイ時間は20時間くらい。盛り上がって参りました。
 …何と言うか、ため息が出るくらい面白すなあ。こりゃあ口コミになるワケだ。「読むだけ」でこんなに楽しいのを体験してしまうと、なんか、8ボタン+2スティックを使うゲームに戻れなくなりそうです。僕も年取ったもんだ。

 主人公、岡部倫太郎(通称:オカリン)は自らを「鳳凰院 凶真」と名乗る重度の厨二病患者。
 秋葉原にて、気のおけない友人たちとヘンテコ発明サークル「未来ガジェット研究所」を運営する彼は、ある夏の日、偶然、ラジオ会館にて殺人事件の現場に遭遇する。突然訪れた非日常に興奮するオカリンは、親友でありラボメン(研究所メンバー)である橋田 至(通称:ダル)へ事件を告げるメールを打つ。
 それが、自らの。そして、世界の未来を大きく変えることになるとも知らずに…
 

 ジャンルは、超正統派テキストノベルゲーム。
 プレイヤーができることは「文章送り」と「フォーントリガー」と呼ばれる、ケータイ操作のみ。
 
 「フォーントリガー」は物語の任意のタイミングで携帯を取り出すことが出来る、というシステム。
  ・着信メールをすぐ開く/後で開く
  ・着信メールに返信する/しない
  ・着信電話に出る/出ない
  ・重要なタイミングで電話やメールをする/しない
 上記のような「ケータイ操作」によって物語が分岐する為、実に自然に物語にのめりこめます。ノベルゲームで一般的な「分かれ道がある。どうする?」「A:左に進もう」「B:右に進もう」と言う選択肢は一切ありません。
 
 「想定科学アドベンチャー」という題目が示すとおり、科学的裏づけ(薀蓄)度合いは更にエスカレート。
 SFの代名詞ともいえる「タイムトラベル」をテーマとした物語なのですが、古今東西の映画、小説を集めても、このゲームほどその「原理」の裏付けに力を入れたものは無いんじゃないでしょうか。前作、CHAOS HEAD NOAHで出てきた技術がそっくりそのまま出て来たりと、シリーズファンへのサービス精神も満点です。
 
 テキストの完成度はやはり非常に高く、難解な設定や技術、理論も分かりやすい例えや平易な表現ですんなりと理解できます。シナリオの組み立て方、伏線や素材の見せ方も非常に上手く、「…ん?これはこういうことかしら?」と思ったタイミングで、登場人物がその通りの発言をしてくれる場面が多々あり、「き、貴様!「機関」のものか!どこから見ている!?」と裏返った声で反応したくなります。
 「逆転裁判」1作目でも強く感じた物語との一体感を、こんな不自由なシステムで感じさせる、というのは本当にすさまじい。
 
 物語を彩るキャラも非常に魅力的。
 主人公の徹底した邪気眼っぷりには「うへッ、黒歴史乙!」と思いますが、慣れるにしたがって素直に「やるじゃん」と思えてくるのは不思議。前作の主人公、拓巳が超ネガティブ人間なら、オカリンは超ポジティブ人間ですね。
 それにしても相変わらず声優さんの演技がすばらしい。テンポの良いキャラ同士の漫才が素直に楽しいです。流石プロだ。2ch文化に嫌悪感が無く、「未来ガジェット研究所」のサイト(特に"Future Gadget"のページ)を見て、ニヤリとできる人なら遊んで損なし。
 
 細かいところですが、前作で感じた、数々のインターフェース周りのストレスが完全に取っ払われてるのも好ポイント。いやあ、いいゲームですよ、コレ。