劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲/9点:名作。観ないと損!
ポケットモンスター「ミュウツーの逆襲/ピカチュウのなつやすみ」【劇場版】 [DVD]
- 出版社/メーカー: KADOKAWA メディアファクトリー
- 発売日: 2000/06/23
- メディア: DVD
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【あらすじ】
人々がポケットモンスター(縮めてポケモン)と呼ばれる不思議な生き物と共存する世界での出来事。
幻のポケモン・ミュウのまつ毛を元に、人工的に作り出されたポケモン、ミュウツー。
彼は、人間のエゴから人工的に造られた、という生立ちから自らの存在意義を見出せず、苦しんでいた。
そして、自分勝手な人間達への憎しみから、人類に対する逆襲を開始するのだった…。
【感想】
もはや日本の誇る世界的コンテンツの一つなった、ポケットモンスターの劇場版アニメ第一弾。
本作は子供から大人まで、誰でも楽しめる傑作でした。
この後の劇場版ポケモンも、興味本位で何作か観てみましたが、基本は勧善懲悪で子供向けと言わざるを得ない作品ばかりでした。。
残念ながら今のところ、この作品を越える劇場版ポケモンは製作されていない、と言えると思います。
遺伝子技術によって生まれたコピーは、どう生きれば良いのか?
生きていくための居場所はあるのか?生きていく権利はあるのか?
もしその存在が自我を持ったなら、その自我は一体誰のものなのか?
この作品の公開当時はクローン技術の発達が目覚しく、クローン羊のドリーが話題になった時期ということもあり、大変重いテーマの作品に感じられました。
もし仮に、オリジナルとコピーがこうして出会ったら、戦いは避けられないのだと思います。
何故争うのか、本人自体も良くわからないまま、お互いに拒絶してしまう事でしょう。
劇中に、オリジナルとコピーがお互いに動けなくなるまで闘う、と言う、非常に悲しく、痛みを伴うシーンがあります。
同じ生き物同士で争いあう愚かさ、悲しさを端的に表した、素晴らしいシーンだと思います。
このシーンを見れば、誰が見ても「馬鹿馬鹿しいな〜」と思うはずなのですが、宇宙から地球を見下ろしてみれば、我々人間だって、同じ事をしてるんだと思います。ポケモンたちは、劇中で自らの愚かさに気づくことが出来ましたが、人間がその愚かさに気づくのはいつになるのでしょうか。
ポケモンという一見子供向けの見た目でコーティングされては居ますが、生き物が生きることの意味、お互いをいがみあう愚かさについて、考えるきっかけを提供する作品になっていると思います。
当然、この難問について、アニメごとき(失礼)が明確な答えを提示できるわけではないのですが、ミュウツーをはじめとした、複製されたポケモンたちの生き様、そしてそれを見守る主人公達の背中に、きっと何かを感じる事が出来ることでしょう。
当然、ポケモンの世界観を知っていた方が楽しめます。
ですので、ポケモン好きなら+1点。
本作未見でポケモン好きの方は、今すぐレンタル屋に足を運び、ご覧になることをオススメします。
【蛇足】