サウンドオブサンダー/5点:暇つぶしにどうぞ
【あらすじ】
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/07/21
- メディア: DVD
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時は西暦2055年。人類はついにタイムスリップの実現に成功していた。ある民間企業は、その技術を利用して白亜紀での恐竜ハンティングツアーを商品化する。
過去への干渉は"現在"へ大きな影響を与えてしまう為、細心の注意を払ってツアーは実施されていたが、ある時、過去から"何か"が現代へ持ち込まれてしまう。過去に生じた歴史のひずみは、2055年の現在へ劇的な天変地異をもたらす。
世界は、獰猛な生物の跋扈するジャングルのような世界に侵食されていく…。
この時間に生じたひずみを元通りにする事は、果たして可能なのだろうか?
【感想】
SF作家レイ・ブラッドベリの短編「いかずちの音」をベースに作られた、SFパニックホラー(?)作品。予告編をどこかで目にして、これは面白そう!と思いながら、タイトル名が解らずなかなか観れなかった映画です。
TSUTAYAで発掘に成功したのでレンタルで鑑賞。実に魅力的なあらすじの示す通り、大変面白い映画でした。屈折した意味で。
さて、一見安っぽく見られがちなこの映画ですが、総制作費はなんと、およそ100億(!?)円。
…とは言っても、前田氏のレビュー(From 超映画批評さま)によると、本作品制作中にプロダクション会社が倒産するなど、政治的なやりとりを経て完成した、超難産作品との事。その経緯を聞くと、よくぞここまでまとめあげたもんだ!と褒めてあげたくなります。あんまりまとまってないけど。
タイムマシン作ったらこんな危険なツアーより他にやる事あるだろ、とか、リスクマネジメント甘すぎだろ、とか、ピンチの切り抜け方が余りにもご都合主義過ぎる、とか、脚本への突っ込みどころは多数。何よりも、物語の肝となる、『事件が起きたタイミングへタイムスリップするための理論』が、一番の突っ込みどころなのは困り物です。何?スリングショット理論って。
「いや、そのりくつはおかしい。」
,. -──- 、
/ /⌒ i'⌒iヽ、 「時間の変化の波を避けるため
/ ,.-'ゝ__,.・・_ノ-、ヽ 変化が起きる前まで遡れば問題ない」
i ‐'''ナ''ー-- ● =''''''リ _,....:-‐‐‐-.、
l -‐i''''~ニ-‐,.... !....,ー`ナ `r'=、-、、:::::::ヽr_
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``''''''``'''''´みんな良く納得するなぁ…。
また、スケールの大きなテーマだけにCGによる特殊効果も見所の一つ…なんですが…。歴史が書き換えられる、『時間の波』の表現など、おっ!と思う場面もあるにはあるんですが、白亜紀でハンティングされる恐竜の愛くるしさや、リッジレーサー?な未来カーの表現など、場面によって質がチグハグで、おや?と思う場面が多かったです。
全体的に、演出も脚本も荒削りで、真面目に観てもいいのかどうか良くわからない映画でした。
コロコロ場面が変わるのは展開が早くて楽しいんですが、その反面、仲間(?)がクリーチャーに襲われて死んでも、すぐ次のシーンでは頭を切り替え(忘れてる?)、悲しむそぶりを微塵も見せない大変前向き(棒)な主人公のおかげで、常に妙な安心感がつきまといます。
危機は世界規模で起きているはずなのに、ハラハラドキドキ度合いは4畳半くらい。別に誰が死んでも、もうどうでもいいや、と思っちゃいました。
ただ、爬虫類と霊長類が融合したようなクリーチャーデザインは物珍しさもあり、素晴らしいと思いました。陸、海、空と、クリーチャーのバリエーションが豊富な点も面白かったと思います。
突込みどころを見つけたら、大喜びで突っ込んで楽しむ、そんな、新しいジャンルの映画だと思います。場面場面を切り取れば面白い場面が無い訳では無いので、暇で仕方ない、と言う方にはオススメの一本。
期待せずに観れば、暇つぶしにはなるかと思います。
【蛇足】