(xbox360)PREY レビュー /5点:暇つぶしにどうぞ

PREY - Xbox360

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 『幽体離脱』を利用した謎解きが特徴的な一人称シューティング。
 FPS業界も、群雄割拠の他タイトルとの差別化に一生懸命ですなあ。
 
 南アメリカのとある場末の酒場から物語は始まります。突如として酒場の上空に現れたUFOによって、主人公達が酒場ごと宇宙へ吸い上げられる…という、衝撃のオープニングを経て、本編である宇宙船探検が始まります。(このシーケンスはアトラクション感覚で凄く楽しい)
 DOOM3エンジンを利用している、という事で、同エンジンが得意とする無機物(金属)のメタルっぷりと有機物のヌメヌメっぷりは見事。基本的には全編通してサイバーな宇宙船屋内が舞台となりますが、場所によっては、立ち乗り式UFOに乗って移動出来るシーンなんかもあって、退屈しないような作りになっています。
 
 このゲームで特筆すべきは、主人公の特殊能力。
  (1)体力を失っても、地獄を一瞬垣間見るだけですぐさま復活できる。
  (2)幽体離脱をして、敵に気付かれる事無く移動したり、バリアを潜り抜けたりできる。
 何故かはよく分からないのですが、主人公が持つ上記2つの特殊能力を上手く活用して、巻き込まれたシチュエーションを知恵と勇気で打開していく形となります。
 
 重力の方向をグルグルと変えるスイッチがあったり、別の場所へワープできるポータルがあったりと、パズル要素の比重が非常に高い一本。前述の通り、基本的に主人公は死なない(ゲームオーバーにならない)ので、FPS要素はオマケ、と言っても過言では無いかもしれません。
 
 FPSとして評価すると、全体的に、敵へ攻撃した際のリアクションが薄く(むしろリアクションがない)爽快感はイマイチ。死ぬ⇒復活⇒死ぬの無限ループを繰り返してゴリ押し状態となりがちなボス戦なんかは、「ゲームって、一体、何なんだろう。僕らは何の為に生きているんだろう。」と人生について考え込むこともしばしば。ハーフライフCODくらい、リアクションがあればもうちょっと楽しめたのですが…、正直なところ、あまり気持ちの良いタイトルではない、と言う評価に落ち着くのが正直なところ。
 
 なんとしても遊んでおくべき!と言うタイトルではありませんが、ストーリーについては「おおっ」と思う部分もあったので、FPSにパズル要素、ストーリー性を求める人なら、まあ時間潰し程度には楽しめるのではないでしょうか。つまらない訳ではないので。
 まあ、日本人には無縁のゲーム、と言っても過言では無いと思います。バッサリ。